がん間質の血管
北海道大学歯学部には血管生物分子病理学教室というものがあります。樋田京子教授は腫瘍間質の腫瘍血管を研究し、がんの増殖や転移の制御に結びつきそうな発見を重ねています。
がんを養う欠陥を標的とした治療薬にベバシツマブ(商品名アバスチン)があります。従来の抗がん剤による化学療法にベバシツマブが加えられたりしますが、長期間使用するとがん組織の虚血化が進み、かえってがんの悪性度を高めてしまう場合もあります。
樋田教授は腫瘍血管内皮細胞の分離培養に成功し、その性質を調べています。その結果、腫瘍血管内皮細胞が正常血管内皮細胞とかなり異なった性質を持つことが明らかとなりました。腫瘍血管を標的とする核酸医薬の実用化を目指しているそうです。