ウイスキーによる治療

長い夜がようやく明けて、ガイドのラクチャさんが「起きてください」と呼びに来ました。下痢の件を話したところ、「どうして言ってくれなかったんだ」「ウォッカは飲んだのか」と叱られてしまいました。下痢程度で夜中に騒ぎを起こすことは考えていなかったのですが、ウォッカの件は初耳でした。何でもモンゴル人は脂っこいものを食べると、ウォッカを飲む習慣があるそうです。アルコールの持つ殺菌作用が、下痢の予防に有効だというのです。
「何か食べて元気をつけなさい」と言われ、出された朝食のうちサラダとスープを頂きました。食後には、運転手のプテヴさんが強いウイスキーを飲むようにと勧めてくれます。ウイスキーを飲むと、不思議なことにお腹の動きがピタッと止まりました。プテヴさんからは、「もっと早く聞いていたら、悪くならないうちに治療してあげたのに」とお小言まで頂くことになりました。どうやら、遊牧民は誰もが医者であるようです。それだけ、自分の身は自分で守る厳しい自立心がこの地では求められるのでしょう。
こんな調子だったので、この日は車中やゲルで時々休みながらダランザドガドに帰り着きました。そして、空路ウランバートルに戻り、夜になってからスプリングスホテルに到着です。まだお腹の不調が続き疲労感もあったので、夕食も入浴も無しにしてそのままベッドに横になりました。

一人、ゲルの中で苦しんで後で、日が昇ると救われた気持ちになりました。

朝食で口にした温かいスープがとても元気をつけてくれました。

ジープは振動が少なく乗り心地最高でした。

昼食で食べたスープ

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