カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)
CGRPは甲状腺ホルモン・カルシトニンと同様に共通の遺伝子から作り出されるケミカルメディエーター(発痛物質)です。トウガラシ(カプサイシン)の刺激が加わると、温痛覚を伝えるカプサイシン感受性知覚神経末端からサブスタンスPと一緒にCGRPが分泌されます。その後、二次ニューロンの細胞内に取り込まれ、サイクリックAMPの上昇、リン酸化酵素の活性化が生じ、血管を拡張します。血管が拡張して周囲に炎症が生じると三叉神経を通じて脳に痛みが伝わります。こうして片頭痛が生じます。
片頭痛発作時の特効薬であるイミグラン(薬品名:トリプタン)は三叉神経終末や脳血管内皮からのCGRP分泌を抑制することで痛みを抑えてくれます。