プントランドの民主主義
海賊国家プントランドでは海賊の横行が続いています。一方で政治制度はよく練られたものが氏族の長老たちの話し合いの中で生み出され、守られています。122名の国会議員は小選挙区制の普通選挙で選ばれます。その選挙区は地理的な区画で線引きされるものではありません。遊牧民であるソマリ人には地元や地盤といった概念が希薄です。
ソマリ人の伝統的な概念に合致する選挙区とは各人が所属する氏族を示します。プントランドの国民のほとんどが東国ダロッド族ですが、その中で分家、分分家と細かく分かれていきます。122の分家ごとに国会議員が一人ずつ割り当てられています。選挙では同じ分家の中で一位の票を取れば当選するシステムとなっています。国会議員は国民の代表であると同時に、分家の利益を代弁する存在でもあります。
このようにして選ばれた国会議員の投票により、大統領が選ばれます。議員大統領制と呼ぶべきでしょうか。