メキシコ革命

読書・趣味・家庭 2022年06月08日

フランス革命は王政を転覆して共和制に変えようとした革命であり、「自由・平等・友愛」を理念として掲げる民主主義を目指したものでした。ロシア革命は帝政、貴族制度、貴族の大土地所有を廃止し、宗教を敵視しました。さらに資本と試算を人民共有のものとし、利益の平等な分配による共産主義を目指したものでした。20世紀初頭のメキシコ革命は何を変え、何を目指したのでしょうか。

メキシコ革命では30年以上独裁を続けたディアス大統領を引きずり下ろし、彼を支えた大土地所有制やカトリック教会を破壊しました。カトリック教会への弾圧はすさまじく、教会は閉鎖され、神父は殺されたり、強制的に還俗させられたりしました。現在でもカトリック教会は政治的に縛りをかけられています。のちのキューバ革命でも同様ですが、土地は農民に分け与えられ、外国資本が開発したインフラや鉱工業は国有化されました。

大土地所有制は廃止されたはずですが、この小説では革命軍の将校であった主人公が退役し、苦境に陥っている大土地所有者から有無を言わさずに安く土地を手に入れ、大土地所有者となっています。革命の理念とは違うことが一部では起こっていたようです。