リパーゼ
江上一郎先生の著書で唾液の役割について詳しく解説されています。唾液にはアミラーゼという消化酵素が含まれていて、炭水化物をブドウ糖などの糖分へと分解します。また、プロテアーゼという消化酵素も含まれていて、タンパク質をペプチドを経てアミノ酸へと分解します。
私が知らなくて驚いたのは、リパーゼも含まれていたことでした。リパーゼは主に膵臓で産生され、一部は胃でも産生される脂肪分解酵素です。脂肪は胃や十二指腸で分解され、脂肪酸やグリセロールとなって消化吸収されます。
先ほど紹介しましたが、3大栄養素の中で炭水化物とタンパク質は唾液によって消化されます。口腔粘膜にはグルコーストランスポーターやペプチドトランスポーター、アミノ酸トランスポーターがあり、ブドウ糖やペプチド、アミノ酸は口から体内に吸収されます。
リパーゼもあるということは、脂肪酸トランスポーターも口腔粘膜に存在するのでしょうか。調べてみると、どうやら存在するようです。
Fukuwatari, Tsutomu, et al. “Expression of the putative membrane fatty acid transporter (FAT) in taste buds of the circumvallate papillae in rats.” FEBS letters 414.2 (1997): 461-464.
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0014579397010557