口から食事を取ることができなくなると
健康な人ならば食事は当たり前のように口から取ります。顎骨骨折、咽頭がん、脳卒中、認知症、昏睡などといった様々な理由で摂食・嚥下障害が生じると、口から普通に食事を摂ることができなくなります。このような場合には流動食に切り替えたり、鼻から胃へ管を通して食事を注入したり、お腹に穴を開けて胃に管を通して栄養を送り込む胃瘻にしたり、点滴で栄養を取ったりします。
しかしこのような栄養の取り方を続けると、二つの大きな問題が生じてしまうのです。一つは栄養吸収が低下することです。点滴や流動食では十分な栄養を吸収することができなくなり、小腸の粘膜も萎縮していきます。もう一つは免疫機能が低下することです。点滴による栄養により、腸粘膜のリンパ球が減少することが確認されています。口からの食事に戻すと、リンパ球数は元のように回復しました。