家庭菜園
家庭菜園
このように雑草の持つ独特の生命力に魅せられ、その生態に興味を持つようになったのは、数年前に家を新築し、南側に位置する庭で家庭菜園を始めたことがきっかけです。解説本を買い揃え、日曜日が来るたびホームセンターに通って土や種、ポットに入った苗を買い求めます。そして向かいの畑で作業をする野菜作りの達人から土質や種の蒔き方など、たくさんのアドバイスを受けながら、いざ挑戦。結果は上々で、一年目から予想を上回る収穫に大満足です。じゃが芋やさつま芋やとうもろこしなど、家族の期待が集まる野菜には苦戦したものの、ほうれん草やルッコラ、レタス、チンゲン菜、ネギなどの葉物は園芸素人にも豊作をプレゼントしてくれました。毎日とれたての野菜をいただける充足感が次年度へと誘います。お蔭で用のない休日は、追肥や草取りをして過ごすことになりました。雑草を野菜と見間違え、肥料を与えて大切に育てた経験は一度や二度ではありません。やがて鑑識眼が育つとようやく効率的に草取りができるようになり、そのうち雑草にもいろいろな形や特徴があることを知りました。「この草の名前は?」図書館へ行ってみると、意外にも雑草の専門書が並んでいます。早速借りてきてあれこれ調べてみると、どの本も花の色を基準に雑草を分類しています。葉や茎だけでは、どれも似ていて区別がつかないのでしょう。確かにタンポポやレンゲ草の花は知っていても、モギやオオバコに花が咲くというイメージはありません。しかしヨモギは秋になると茎を伸ばして花を咲かせるし、オオバコの薄茶色の穂は実は小さな花の集まりです。花びらがなく雌しべと雄しべだけなので、花には見えないのです。