抗うつ薬の鎮痛機序

その他 2021年04月10日

抗うつ薬の鎮痛機序
慢性疼痛の治療に抗うつ薬がよく用いられます。抗うつ薬は脳内のセロトニン(5-HT)やノルアドレナリンといった神経伝達物質を増加させます。その後、脳由来神経成長因子(BDNF)の産生が増加し、神経細胞を修復することで抗うつ効果が生じます。一方で神経伝達物質の増加により、脊髄後角や三叉神経節に入る下降抑制系が賦活され、痛みを押えます。脳由来神経成長因子を介した内因性の鎮痛作用もあります。
 
Polyakova, Maryna, et al. “BDNF as a biomarker for successful treatment of mood disorders: a systematic & quantitative meta-analysis.” Journal of affective disorders 174 (2015): 432-440.