新木本塾

その他 2019年07月25日

6月の症例検討会では3人の先生が合計8症例を紹介され、皆で検討しました。トップバッターの久山榮一先生(久山内科医院、尾道市)は80歳を超えていますが、熱心に新木本塾に通われています。往診のためか、坂が多い尾道の町を毎日500段の階段を上り下りされているそうです。
最初の症例は急な血圧上昇、徐脈、足の腫れ、こむら返り、高脂血症がありました。急な血圧上昇、こむら返りから肝の疏泄の異常、肝血不足、筋膜の引きつりが考えられました。徐脈、足の腫れからは飲邪か湿邪阻滞による心気虚が考えられますが、冷えがないため心陽虚ではなく、桂枝人参湯は除外されます。陰血不足によるこむら返りには芍薬甘草湯、肝血不足には四物湯です。足の甲の腫れであれば胃気虚、朝に腫れている場合は腎陰虚と考えて六味丸を処方します。高脂血症は瘀血によるものであり、桂枝茯苓丸が第一選択です。冷えがあれば当帰芍薬散、湿があれば竜胆瀉肝湯、便秘があれば通導散を使います。
どうも取り留めのない内容ですが、実際に診断しようと診察している最中はこんな感じです。文章では順番に書いていますが、頭の中ではおそらく同時に複数のことを考えています。
http://www.onomichi-med.or.jp/news/detail.php?id=172