茨木市 高村様
「ひぐち歯科クリニックに通い始めて」
新聞やテレビなどで取り上げられない日がないほど、医療の問題は今大きな社会問題となっている。私はこれまでそれほど大きな病気をしたことがなく、医療機関のお世話になったことは数えるほどしかない。その上気が小さく臆病なので、できることなら病院のお世話にはなりたくないと思って生きてきた。とりわけ歯医者は敬遠したい所で、六〇代までに診察を受けたのは二、三度に過ぎない。
それが六〇歳を過ぎてから歯周病に悩まされ始め、痛さに耐え切れず治療を受けざるをえなくなった。親しくしている友人の紹介で、昨年の二月から当クリニックに通い始め一年経った。極度の恐怖症と神経過敏(そんな方はほかにもおられると思うが)のため、院長のお母さんである友人にも随分ご心配をお掛けした。でも何とか不安も薄らぎ、治療にも専念できるようになり、症状も改善した。ひとえに院長先生やスタッフの方々の濃やかな心配りのお陰だと思っている。
私の夫は八年前に亡くなったが、夫が三年間入院していた病院で学んだことがたくさんある。患者が医療機関に求めるのは人間としての扱いである。人間的な扱いを受けるか受けないかで、症状が左右されると思ったほどだ。夫は幸いにもすばらしい主治医に恵まれ、夫だけでなく私も救われた。勿論医療とは一方的なものではないし、先生やスタッフの方々のすさまじいまでのご苦労を理解しなければとも思っている。
今も油断すると歯茎が腫れ上がり、激しい痛みを伴って歯の根元がぐらぐらし始める。それに頭痛が加わりだすと、菌が脳を侵すのではないかと恐ろしくなる。そういうふうにならないためにもまずは自己管理なのだけれど、それでも何が原因で異常が起きるかわからない。そんなときに頼りになるのはひぐちクリニックだ。
まだ恐怖心を完全に克服したとは思わないが、実際の治療の場面では神経のいやな痛さをあまり感じなくなった。嘘みたいにあっけなく「はい終わりです」と言われることもある。これは一年掛けてさまざまに手当てしていただいたお陰だし、私の手では取り切れない頑固な汚れを除去していただいているお陰だ。何よりも一個の人間として対応してくださったことに感謝している。
厚かましくしすぎるとは思うけれど、できれば歯科だけでなく生活一般についてのカウンセラーのようなこともしていただければありがたい。ほかの医療機関とも連携を取りながら、地域医療の中心になってほしいと期待している。