超民営化社会

時事問題 2015年04月07日

1991年の内戦勃発以来ソマリア南部はほとんど無政府状態が続いています。国連やアフリカ連合、エチオピア、ケニアの仲介で何度か和平合意が得られて暫定政府が発足しましたが、全土を統一して実行支配することはできず、長年首都モガデシュの一部しか支配できなかったとても小さな政府です。

無政府状態というと犯罪が野放しにされた無秩序な状態を想像します。しかし、実際のモガデシュの様子は全く違います。街は秩序が保たれ、食料などの品物は店頭にあふれかえり、おしゃれな都会の姿を保っています。

国土の分断で電気や水道といった公共インフラを担う会社はなくなりましたが、今でも電気や水道は維持されています。内戦以来、ソマリアの国土もモガデシュ の市街も氏族ごとに分断されて統治されています。インフラは政府ではなく各氏族が独自に整備して維持しています。警察や軍、裁判所の機能も各氏族が自分た ちでその役割を担っているのです。

統一政府はなくなりましたが、民間に移っただけで基本的にその機能は維持されているのです。ちなみにモガデシュは英語表記であり、イタリア語表記ではモガディシオとなります。