逆ザヤ問題

歯科医師会 2022年03月30日
逆ザヤ問題

2022年4月の保険点数改定では、歯科の保険点数が平均0.29%引き上げられます。といっても実際には引き下げという内容でした。これは金銀パラジウム合金の価格が年々高騰しているということが関連しています。

この合金は歯の詰め物やかぶせものに使う金属ですが、成分中のパラジウムというレアメタルの需要が自動車業界で高まっています。自動車の排ガス浄化装置にパラジウムが使われるのです。さらに主要生産国であるロシアからの輸入が不透明になっている影響もあります。

歯科の保険点数で金銀パラジウム合金の金額が定められていますが、値上がりに次ぐ値上がりのために保険で定められた金額よりも金属購入費の方が高い逆ザヤ状態が何年間も続いています。この点を考慮すると、今回の改定は平均3.78%の引き下げになります。