ソマリランドの収入源

時事問題 2015年03月26日

ソマリランドには輸出産業が存在しません。人々は昔ながらの遊牧生活から経済的にはほとんど変化せず、富を生み出すものは国内に存在しないようです。旧宗主国のイギリスもプランテーションの建設や三角貿易、資源開発といった植民地経営をイギリス領ソマリランドに対しては一切行わなかったようです。政府にも ほとんど予算はなく、治安維持程度の最低限の仕事しかしていないようです。

こういった状況は最貧国とか後発開発国とかといわれるアフリカの国々にはよくある話ですが、そのような国でも国連や欧米諸国、国際NGOからの援助金が入 るため、財政運営は何とか行われています。残念ながらこれらの多くの国では援助金が政府関係者の私腹に入り、産業の育成や国民の生活、教育には回っていま せん。

ソマリランドは国際的に承認されていないためこのような援助金が入ってきません。そのために腐敗もありません。それが幸いして平等と平和が保たれている面もあります。

それではどのようにしてソマリランドの経済が成り立っているのでしょうか。ソマリランドの最大の収入源は実は海外移住者からの送金なのです。遊牧民である ソマリ人は住み慣れたところを離れることに抵抗がありません。機会を見つけては欧米に移住して生活基盤を築き、国内に残った身内にせっせと送金しているの です。