デルス・ウザーラ Derus Uzala

読書・趣味・家庭 2012年07月17日
今年で50歳を迎え体力の衰えを感じないわけではありません。ですが、山と滝を愛し、自然が大好きな私は9月にモンゴルゴビ砂漠を体感しようと計画中です。この話はシベリアの話ですが、モンゴルでデルス・ウザーラのことを想ってみるつもりです。いつか黒沢明の映画も見てみたいです。
デルスは、家族もなく、家も持たない生活を営んでいます、森とともに生きているかのように、その土地の生き物や自然を知り尽くしています。
彼は、けっして人を騙したりせず、猛吹雪からアルセーニエフの命を救ってもその代償を要求することもありません。すっかり彼の人間的な魅力に魅せられてし まったアルセーニエフは、この土地を調査探検する時は必ず彼をガイドとして雇うようになります。虎や熊のような猛獣や猛吹雪や寒さ、飢餓との闘いなどあら ゆる危険を乗り越える小さくて心優しいスーパー・アウトドア・ヒーロー、デルス・ウザーラ。

 そんな伝説的ヒーローさえも勝つ事が出来ない敵、それは「老い」でした。50歳を過ぎ急激に視力が衰えたデルスは都会で暮らすことになりますが、彼にとって住むべき場所ではありませんでした。都会人たちのおかしな生活ぶりにしだいに精神を蝕まれてゆきます。結局、デル スは森に帰ることを決意し、アルセーニエフもそれを引き留めることはできませんでした。こうして物語は悲劇的なラストへと向かいます。