ドリアン・グレイの肖像

大学を卒業して診療にたずさわるようになった20代の頃には、患者さんに若造と見られるのが半ば苦痛で、早く年を取りたい、少なくとも年を取って見られたいという気持ちがありました。
イギリス貴族で画家のバジル・ウォ-ホ-ルドは類まれなる美貌の持ち主である青年貴族ドリアン・グレイの肖像画を完成させました。その出来映えに満足をし たバジルはドリアンの美貌が今後衰えていくことを嘆き、「もし『ドリアン』がいつまでもいまのままでいて、代わりに肖像画のほうが年を取り、萎びていくの だったら、どんなにすばらしいだろう、そうなるものならなあ!」とつぶやきました。
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