は行転換

その他 2019年06月28日

高校生のときに学校の授業か教育テレビのいずれかで知った話です。日本語の「は行」の発音が時代とともに変化したという内容でした。平安時代には「は」は「ふぁ(φa)」と発音し、古墳時代以前は「パ」と発音していたということでした。この話を聞いたときに「どうしてそんなことがわかるのか」と疑問を覚えたことが記憶に残っています。
柳田國男は『蝸牛考』で方言周圏論を唱えました。新しい表現が京の都を中心として同心円状に広がり、古い表現は遠くの地方に方言として残っているという説です。奄美や沖縄には「は行」の「p」「φ」発音が残っていて、は行転換の傍証となるようです。ちなみに奄美や沖縄の言葉は日本語とは別の言語だとするようになってきていて、これはこれで興味のあるところです。
熟語ができる際に「電波」や「達筆」では「でんは」「たっひつ」とはならずに「でんぱ」「たっぴつ」と発音するのは古墳時代の名残のようです。