神経障害性疼痛に対する漢方治療

その他 2019年07月29日

山本篤志先生(西条ときわクリニック)の1症例目は手から腕、肩にかけて生じた神経障害性疼痛です。歯の神経を抜いた後や舌痛症でも神経障害性疼痛が見られるため、私もよく治療する疾患です。神経障害性疼痛に対しては三環系抗うつ薬(ノリトリプチリンかアミトリプチリン)、抗てんかん薬(プレガバリンかガバペンチン)がファーストチョイスとして用いられます。この症例でもプレガバリン、NSAID(ロキソプロフェンナトリウム)、トラムセット、SNRI(ヂュロキセチン)が試されましたが、改善傾向はありませんでした。
中医学的には漢方薬を投与しながら弁証を勧めた結果、瘀血、湿痺、経絡阻滞、肝血虚が疑われました。活血化瘀、袪湿、通絡止痛、滋補肝血が必要と考え、試行錯誤の結果、桂枝茯苓丸加薏苡仁、疎経活血湯、四物湯が1か月間処方され、症状はほとんど消失しました。

神経障害性疼痛に関する漢方治療