産後身痛
北京中医学院の劉渡舟教授著『劉渡舟験案精選』の本読みを行いました。今回は婦人病で「産後身痛」と「産後感胃脘痛」です。
産後身痛の症例は産後1か月の31歳女性です。前身の痛みがあって特に腰痛が強く、汗が出て寒気がし、息切れして帯下が多くなっていました。他の病院では産後の血虚に乗じて患者が胞宮(子宮)に侵入したとして活血化瘀の方剤「生化湯」が処方されました。しかし、改善しませんでした。
その後北京中医学院に転院し、劉渡舟先生は気血両虚、営衛不和と弁証しました。処方されたのは「桂枝加芍薬生姜各一両人参三両新加湯」略して新加湯です8日間服用して治癒しました。
桂枝加芍薬生姜各一両人参三両新加湯は桂枝湯の発展処方です。代表的な解表剤である桂枝湯は営衛を調和します。芍薬を増量することで営血を補い、人参を加えて補気生津し、営気を整えて衛気を養います。生姜を増量することで陽気を宣通させ、薬力を体表に到達させます。