慢性疼痛に対する運動療法
名古屋学院大学リハビリテーション学部の城由起子先生が運動療法について解説されました。過去の研究を見てみると、運動は痛い部分だけでなく、全身の広い範囲に鎮痛効果をもたらします。また、運動していない部分にも鎮痛効果がありますが、特に運動している部分での鎮痛効果が高いことが分かっています。しかし、痛い部分を動かしても鎮痛効果が得られにくいとのことです。
慢性疼痛に対する運動のポイントはペーシング、自己効力感、自己決定です。運動をやりすぎるとかえって痛くなり、痛くなると運動をやめてしまいがちです。一定のペースを保つペーシングが必要です。少しずつでも運動を続けると痛みが軽くなることが実感でき、やればできるという自己効力感が増します。運動はその日の調子や事情によって増減してもよく、そのあたりの調節は患者自身が自己決定して行うことが望ましいといえます。運動を続けることができれば少しずつ運動量を増やしていってもよく、そのあたりの判断も患者が自己決定します。
https://www.ngu-kenkyu-db.jp/V02010_choord.php?PARAM=64221