ミトコンドリアと自然免疫

その他 2020年06月22日

コロナウイルス感染症においてミトコンドリアが自然免疫の舞台となっていることを知りました。そもそもミトコンドリアはエネルギー産生の場とされていましたが、自然免疫にも関連していることがわかってきているようです。
コロナウイルスに感染すると、retinoic acid inducible gene like receptor(RIG-I、MDA5、LPG2)などが、ウイルスRNAのセンサーとして機能します。ミトコンドリア内では活性酸素種(ROS)が増加し、ミトコンドリアが障害を受けます。損傷したミトコンドリアはオートファジーにより分解されますが、ミトコンドリアのオートファジーのことをマイとファジーというようです。
損傷したミトコンドリアのDNA(mtDNA)は、核内のDNAのようにヌクレアーゼで分解されることはなく、細胞外に放出されます。このmtDNAはDAMPs(損傷関連分子パターン)としてTLR9に認識され、自然免疫が進んでいきます。ミトコンドリア内のROSやカルジオリピンも細胞外に放出され、同様に自然免疫を引き起こします。
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とサイトカインストーム-炎症病態からみた治療法の選択」医学のあゆみ273巻8号
https://www.ishiyaku.co.jp/pickup/20200427_info_01.aspx

ミトコンドリアと自然免疫