迷走神経反射

その他 2020年09月16日

診療中にたびたび遭遇するのがこの迷走神経反射です。ほとんどは局所麻酔の注射が終わったころに発生します。注射針刺入時のちくっとした痛みや緊張で迷走神経が緊張すると脳の血管運動中枢を刺激し、心拍数の低下や血管拡張が起こります。その結果、血圧が低下し、脳への酸素供給が低下して、気分が悪くなったりくらくらしたりします。冷や汗、悪心、脱力、意識障害が生じる場合もあります。
通常はしばらく安静にすると自然に回復します。迷走神経反射が生じた後は、歯科用いすを倒して横になった休憩しておいてもらいます。局所麻酔の注射を打った後は麻酔が効くまでしばらく待つ必要があるため、休憩してもらっている間に麻酔が効いてきて、回復した頃に治療を始められます。
もともと脱水や貧血などがあると回復しにくいので、そのような場合は酸素吸入、輸液、アトロピン投与などの対処を行う場合もあります。

迷走神経反射

迷走神経反射