前胸部痛

漢方 2025年10月20日

上田美子先生(清音クリニック)の50代女性の症例です。肝胃不和による痛みと考え、左金丸の方意で呉茱萸湯と黄連解毒湯を処方したところ、症状が軽快しました。左金丸は呉茱萸と黄連の2剤で構成される方剤で口苦、胸焼け、胃痛、ゲップ、嘔吐などの症状を抑えます。

エキス剤で代用する場合、呉茱萸湯と黄連湯の組み合わせも考えられます。しかし、黄連湯よりも黄連解毒湯の方がよいようです。黄連解毒湯には山梔子が入っていて、黄連湯には山梔子が入っていません。山梔子が入っている方が左金丸の効果に近いようです。