HHV-6ウイルスとうつ病

その他 2020年06月19日

江上一郎先生の著書の中で乳幼児がよくかかる突発性発疹の原因ウイルスであるHHV-6の唾液中の濃度を調べることで疲労度がわかるというくだりがありました。東京慈恵会医科大学ウイルス学講座近藤一博教授らの研究で、HHV-6はうつ病を引き起こすこともわかってきました。
HHV-6は嗅球のアストロサイトに潜伏し、HHV-6の再活性化時にSITH-1という潜伏感染遺伝子タンパク発現が誘導されます。SITH-1と嗅球細胞のCAMLというカルシウム調整調節リガンドが結び付き、細胞内にカルシウムが流入します。その結果、嗅球がアポトーシスを起こし、海馬の神経形成が抑制され、視床下部-下垂体-副腎系機能が低下します。最終的にうつ症状が出現します。


HHV-6ウイルスとうつ病