歯科用マイクロスコープ


虫歯を診察するためには、問題点を細部まで正確に見究める必要があります。実際の治療は高度かつ細かい作業の連続なので、優れた専用器具が必要不可欠です。

マイクロスコープ2歯科専用の顕微鏡であるマイクロスコープは虫歯の除去、レジン充填、根管治療、歯根端切除術のいずれのステップにおいても、肉眼下の作業とは比較にならないほど高精度な治療を実現することができます。

当クリニックではドイツ・カールツァイス社製の歯科用マイクロスコープを使用しています。

単治・覆髄

虫歯になった部分は削り取る必要がある一方、虫歯の周囲の健全歯質はできるだけ削らずに温存することが望まれます。

歯科用マイクロスコープで視野を拡大すると、虫歯の部分だけを精密に削り取ることができます。虫歯が歯肉と接していたり、隣りの歯と接していたりするケースであっても、歯肉や隣歯を傷つけることなく虫歯のみを容易に除去できます。

レジン充填

レジンを充填する際には、歯の表面の細かい凹凸に至るまで元の形態を再現するのが理想といえます。肉眼で細かい歯の形態までを見分けることは困難ですが、歯科用マイクロスコープを用いると細かい形態まで再現できるため、ナチュラルな仕上がりが可能となります。

また、レジンと歯の間にわずかでも隙間があると、飲食物の色素が入り込んで茶色く変色してしまいますが、精度の高い充填は余分な隙間を作らないため、美しい仕上がりが可能となります。

根管治療

歯科用マイクロスコープが最も威力を発揮する場面が根管治療です。根管は各歯ごとに異なる複雑な形状を持っていますが、歯科用マイクロスコープを用いると「根管が目で見える」治療が実現するため、手探りの治療より格段に成功率がアップします。

マイクロスコープ3

虫歯菌の刺激などから歯髄を守るため、生体は防御反応を示します。即ち、歯髄の表面部分が補綴象牙質に変化して根管が細くなるため、根管を見つけにくくなります。根管の入り口である根管孔を見つけることは難しい作業ですが、歯科用マイクロスコープは容易に見つけ出してくれます。

困難な根管治療には、根管内にファイルという針状の治療器具が折れて残存している、根管癖に穴が開いている、などのケースがあります。これらの問題にも歯科用マイクロスコープは強力なパワーを発揮します。

歯根端切除術

通常の根管治療で治らない場合は、歯根端切除術などの外科的歯内療法が必要となります。歯根端切除術は以下の3点を確実に実施することが必要となります。

即ち、水平に根尖部を切断・切除すること、根管形態と相似形の逆根管窩洞を形成すること、MTAを隙間なく緊密に充填することです。

根尖は大変小さいため、これらのステップを確実に実施するには、やはり歯科用マイクロスコープが必要なのです。