休作有時

その他 2016年08月13日

洋赤羽牧記念クリニックの東儀先生が夜間睡眠時に生じる下肢痛発作に対する治療について発表されました。下肢痛発作とはこむら返りのことですが、特効薬として芍薬甘草湯が有名です。しかし、芍薬甘草湯が効かない例もあり、柴胡桂枝湯の方が効果的であることを休作有時の概念を用いてクリアに説明されました。
六病位の2番目に来る少陽病期は半表半裏の状態であり、表裏の間で邪気が徘徊して正気との争いの中で寒熱往来が生じます。表である太陽と裏である陽明の開閉を調整して人体の陰陽の気機の昇降出入りの中枢を担うのが少陽枢機です。
枢機の開閉失調が生じると正気と邪気が一進一退の状態となり、周期性の発作が生じます。発作がないとき(休)とあるとき(発作の作)が繰り返される病態を「休作有時」といいます。休作有時の病気には夜間のこむら返り、てんかん発作、喘息発作、胆石発作などがあります。
六病位は24時間の中でも当てはまり、少陽・胆経の時間帯は午前3時から9時の頃です。このため、明け方近くに休作有時が生じやすいといえます。このような明け方の不調を「陰陽不順接」といいます。
少陽病に対する代表方剤は小柴胡湯です。小柴胡湯の4大定証は1.口苦・咽乾・眩暈、2.胸脇苦満、3.心煩喜嘔、4.寒熱往来です。4大定証の補足に休作有時があります。小柴胡湯は表裏を調和します。また、桂枝湯は陰陽を調和します。小柴胡湯と桂枝湯の働きを併せ持つのが柴胡桂枝湯であり、就寝前に一服することにより夜間のこむら返りを予防します。
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