低ホスファターゼ症

その他 2019年05月10日

組織非特異的アルカリホスファターゼ(TNSALP)の活性が遺伝的に低下することで骨や歯に影響が出る病気が低ホスファターゼ症です。TNSALPをコードするALPL遺伝子が両親のいずれでも機能欠損変異していると、重症型(周産期重症型など)の低ホスファターゼ症が現れます。その確率は15万人に1人程度で、骨の破壊や変形、重篤な筋力低下、けいれん発作、呼吸不全のため1年以内に死亡します。そのため、歯の異常の有無ははっきりしていませんでした。

2015年以降、ストレッジング(薬品名:アスホスターゼアルファ)を用いたアルカリホスファターゼ酵素補充療法により低ホスファターゼ症が治療できるようになりました。重症型の患児が生存できるようになり、歯の萌出遅延やエナメル質形成不全といった症状が現れることもわかってきました。