流行り病の今昔物語

院長近況 2021年07月05日

大阪大学歯学部同窓会主催の臨床談話会でウイルスとワクチンのお話をたっぷりと聞きました。講師は大阪大学歯学部口腔細菌学の川端重忠教授で、細菌学と免疫学が専門のはずですが、ウイルスやワクチンに関してもとても詳しく、多方面での活動歴もあるようでした。
今回の講演の眼目は当然のことながら、新型コロナウイルスとワクチンでした。コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパクはヒトの細胞表面のACE2と結合します。ACE2の近くの細胞膜表面にあるII 型膜貫通型セリンプロテアーゼの1種(TMPRSS2)が受容体結合領域(RBD)を切断し、そのためにウイルスとヒトの細胞との結びつきが強くなり、ウイルスの細胞内への侵入へとつながります。
蛋白分解酵素阻害剤であるナファモスタットはTMPRSS2の働きを抑制する働きがあることがわかりました。コロナウイルスがヒトの細胞内へ侵入することを阻止してくれる可能性があります。
https://www.ousda.jp/gakujutsu/danwakai538.php