神経所見の取り方
口腔内外に症状が生じていても、その原因が頭蓋内の腫瘍や出血に由来する場合があります。脳梗塞や脳腫瘍の既往があればそれらとの関連を検討しますが、そのような既往がない場合には自分が下した診断に見落としがないか不安になります。
見落としていないかどうか、脳のCTやMRIで確認すればよいのかもしれません。しかし、舌のしびれや顎の痛みに対して何でもかんでも脳の画像検査を注文するのは不適切です。
首から上に分布する神経は脳から直接出ている12脳神経(一部背面には頸髄から出ている脊髄神経もありますが)です。12脳神経とは視神経、聴神経、三叉神経、顔面神経などです。これらの神経の異常がないかを順番に調べる方法があり、私も必要があれば12脳神経の異常の有無をチェックしています。もし異常があれば脳神経外科や脳神経内科に対診を依頼することになります。
12脳神経以外の神経学的所見についてはよく分かりません。学生時代に膝蓋腱反射やバビンスキー反射など、いくつか習ったことがある程度です。今回は獨協医科大学脳神経内科の舩越慶先生に四肢体幹、起立時、歩行時の神経学的所見について一通り教えてもらいました。