賛否両論の病気

読書・趣味・家庭 2024年09月03日

線維筋痛症や慢性疲労症候群、脳脊髄液減少症、シックハウス症候群は、比較的新しい病気です。どのような症状があればこれらの病気とするか、その境界線がはっきりしないため、医者によってこれらの病気として診断したり、しなかったり、対応が分かれる病気です。病気の存在そのものが疑われる面もあります。このような病気を”contested illness”と言い、「疑義の呈された病気」「論争中の病」などと訳されます。この本では「賛否両論の病気」と新薬を付け、これらの病気の特徴が記載されています。

「病気」の英語表記は、生物学側面を述べる場合は“disease”、心理的側面を述べる場合は”illness”、社会的側面を述べる場合は”sickness”、これらを総称して述べる場合は”malady”を用いるとよいという内容が書かれています。”contested illness”は、患者の”illness”を扱うにはある程度有用かもしれないが、医学会での“disease”としての位置づけに有力な異議があり、”sickness”としては紛糾している(contest)病気と言えます。