長期記憶
一定の間隔でシナプス前細胞を刺激すると、シナプス後細胞は同じ強さの興奮を繰り返します。途中で高頻度の刺激を短時間加えてやると、興奮の強さが強くなり、その状態が何時間も続きます。これの現象を長期増強(LTP、long-term potentiation)といい、脳の長期記憶の仕組みが解き明かされたのです。
LTPは早期相と後期相の2層に分かれます。早期相は刺激後数秒以内に成立します。早期相はすでにシナプスに存在するカルシウムによって起こります。後期相ではサイクリックAMP依存性タンパクキナーゼ(PKA)によりタンパク合成が生じ、その効果を持続させます。
長期増強に対して長期抑圧(LTD、long-term depression)もあり、記憶できない状態が続くということです。