ペーシング
強迫性障害に対して認知行動療法で重要視するのはセルフモニタリングです。セルフモニタリングを継続することで自然とよくなっていくという部分もあります。その間に暴露反応妨害法や認知再構成を織り込むわけですが、ペーシングを用いることもあります。
認知行動療法の特徴ですが、強迫性障害に対しても強迫観念や強迫行動が生じる原因を調べることに重きを置きません、むしろ軽視します。認知行動療法で直目するのは、強迫行動により支障をきたしている日常生活のその程度です。改善すべきは強迫観念や強迫行動そのものよりも、日常生活における支障の程度を小さくすることです。そのために用いるのがペーシングです。
セルフモニタリングにより、強迫行動の発生回数や間隔、持続時間がわかります。それがわかれば、発生回数や間隔、持続時間をよいほうに少しずつ変化させます。それがペーシングです。