原生林の伐採
江戸時代に北海道の探検や開拓が始まるまでは北海道の大地は森に覆われ、原野を流れる川は蛇行し、湿原が広がっていました。明治以降に本格化した開拓で手つかずの森の木々が切り倒され、切り株が掘り起こされ、石が取り除かれて整地されました。川はなるべくまっすぐ流れるように改造され、湿地帯は灌漑されて農地となりました。
物資を運ぶ道路や鉄道が整備されるまでは、切り倒した木を木材として搬出し、商品化することはできませんでした。開墾した土地をふさいでいる切り倒された木は、燃やして肥料とするほかに使い道はありませんでした。
森を切り開いて開墾した田畑には、強い風が吹き抜け、種や表土を吹き飛ばしました。風を防ぐために、木を植え防風林を設けなければなくなりました。防風林まで考えて、計画的に一部の木を切らずに残すことまでは気が回らなかったようです。写真は斜里郡清里町の田園風景ですが、大きな畑の周囲を取り囲むように防風林が見られます。