モンゴル人と外国語

共産主義支配下のモンゴルでは、小学生のころからロシア語を習っていたらしく、30歳以上のモンゴル人はロシア語が話せるといいます。この話を聞きながら自国を顧みると、義務教育の中学校から英語を習う日本人の中の「話せる人」の割合は、かなり少ないと言えるでしょう。また、モンゴルでは専門用語の多い科学や法律などの分野では特に、外来語として積極的にロシア語を取り入れているようです。キリル文字を読んでみると、「博物館」などヨーロッパ共通の単語が交じっていることに気が付きます。
日本に帰ってから読んだ話ですが、ロシア諸侯がモンゴルの支配下にあった時代には、貴族自らが好んでモンゴル語を話したそうです。まるで、帝政ロシア時代のフランス語のようです。このような歴史的経緯から、ロシア語には外来語としてのモンゴル語が多く取り入れられていて、モンゴル人にとってのロシア語は馴染のある言葉のようです。
たとえば、オユン先生はモンゴル語の他にロシア語、スペイン語、英語が話せ、加えて父親がモンゴル西部のコーカソイド系部族の出身のため、そちらの言語も操るという才媛です。ただし現代の学生はモンゴル語、英語、ロシア語、中国語に加え、韓国語や日本語まで話せる人もいるそうで、脱帽としか言いようがありません。

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