イメージ・エクスポージャー

その他 2018年09月01日

汚いものにわざと触れるということは患者にとってはとても恐ろしいことです。いきなりそのようなエクスポージャーをすることは大変なので、まずは手始めに頭の中でイメージしてみます。これならそれほど大変ではありません。
不潔恐怖で洗浄強迫がある場合はトイレを使用した後に何度も手洗いします。便座を何度も吹いたり、トイレットペーパーを大量に使ったりする場合もあり、用を足すだけで長時間かかり、日常生活に支障をきたします。このような場合素手で便座に触るとか、手洗いの時間を30秒以内に制限するとかいったことはすぐにできることではありません。手始めに次のようなことをイメージしてもらいます。「小人のように小さくなってしまいます。小さくなったあなた(クライアント)を私(セラピスト)がつまんで便器の水の中に漬けてしまいます。よくイメージしてみてください。便器はつるつるとしていて便座まで這い上ることができません。あなたは溺れないように必死に泳ぎ続けなければなりません」このように現実にはとても汚くて耐え難いようなことでも、イメージの中では比較的無理なく体験できるようになります。
イメージ・エクスポージャーができるようになれば、次はカウンセリングルームで疑似体験します。これもクリアできれば、いよいよ日常生活で本当に汚いものに触れるという段階に入ります。