マッコウクジラ

その他 2017年12月27日
小説が書かれた18世紀半ばではマッコウクジラが地球上最大の生物であると記載されています。南極海に棲息するシロナガスクジラが最大の生物ですが、当時はよく知られていなかったそうです。
小説ではマッコウクジラの生態や解剖について詳しく記載されています。飼育して観察することが不可能なため、生態については大半があやふやな記載です。解剖についてはもう少し詳しく紹介されています。
捕鯨船の目的は照明や潤滑剤として貴重な鯨の油ですが、マッコウクジラの巨大な頭部には脳油の大きなタンクがあります。脳油は鼻腔で発した音波を屈折して収束させるレンズの役割を果たし、音波の跳ね返りにより周囲の状況を感知できるようになっています。これにより光が際込まない深海での活動を可能にしています。
海水を吸い込んだり吐き出したりすることで脳油の温度が変化し、脳油を凝固させたり溶解させたりすることができます。この変化で比重が変わり、潜航や浮上が可能となります。