ヤジディ教
イラク北部には標高1463mのシンジャル山を中心に東西100㎞に渡ってシンジャル山脈が拡がっています。ヤジディ教徒はシンジャル山にノアの方舟が辿り着いたと信じています。シンジャルの町のヤジディ教徒はシンジャル山の山腹にあるチェルメラ(Chermera)寺にお参りして、太陽神に祈りを捧げます。
ヤジディ教は太陽神を信じる一神教でその点ではミトラ教の影響があるとされています。キリスト教やイスラム教と共通する七大天使を崇拝するとされますが、七人の天使の構成が異なっていてイスラム教では堕天使(悪魔)とされる孔雀天使マラク・ターウースが入っていることが邪教として迫害されるようです。
19世紀までは聖典がなく、口承で信仰が受け継がれてきました。一般教徒は詳しい教義を知らず、聖職者に尋ねても曖昧な解説しかかえってこないということでした。ヤジディ教にはゾロアスター教やスーフィズムの影響もあります。バラモン教の影響で輪廻転生も信じられていて、カースト制度もあります。両親がヤジディ教徒でないとヤジディ教徒になれず、他宗教からの改宗も認められません。そのため、布教活動や広報活動がなく、閉鎖的、神秘的な宗教となっています。
https://www.newyorker.com/magazine/2018/02/26/the-daring-plan-to-save-a-religious-minority-from-isis