小建中湯が効く理由3
必須アミノ酸の1つにトリプトファンがあります。トリプトファンは肝臓で代謝されて主にキヌレインになり、その後キヌレニン酸やキノリン酸に変化します。キヌレインが脳に移行するとうつ症状が現れます。一方で、トリプトファンは代謝されてセロトニンにもなります。
小建中湯に含まれる膠飴の働きでトリプトファンをキヌレインに変える酵素であるインドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼの活性が弱まり、キヌレインの産生が抑制されます。相対的にセロトニン産生量が増加し、脳内に移行したセロトニンがうつ症状を改善します。小建中湯により登校拒否が改善するのはこのためと考えられます。
トリプトファンが代謝されるとメラトニンも作られます。メラトニンは睡眠に関係しますが、メラトニンやセロトニンが増加すると深い眠りが得られ、夜尿症が改善します。