歯肉の痒み

その他 2017年08月18日

口の中が痒くなることは滅多にありません。歯の痛みの原因が食いしばりによる筋・筋膜痛であった症例です。さらに歯肉に痒みが生じていました。筋膜が凝って痛んでいる部分を押すと歯肉に痒みを生じさせることができました。
痛みと痒みは同じAδ線維やC線維が伝えますが、痒みは痛みとは別にヒスタミンによる伝達経路が存在します。神経線維の発芽により、痛みの経路と痒みの経路にバイパスが形成された可能性があります。
別の可能性もあります。筋膜からの痛み刺激が中枢に伝えられ、中枢から歯肉に玉構成電動が生じてグルタミン酸やサブスタンスP、CGRPといった神経伝達物質が分泌され、肥満細胞が刺激されてヒスタミンが遊離し、痒みが発生したのかもしれません。
また、筋膜からの痛み刺激が三叉神経節の1次ニューロンからの神経伝達物質の放出を起こし、過剰な神経伝達物質が痒みを伝える2次ニューロンの活動電位を生じさせたのかもしれません。