ドリナの橋

読書・趣味・家庭 2012年01月11日

ユーゴスラビアのイヴォ・アンドリッチの代表作、1961年ノーベル文学賞を受賞したドリナの橋を紹介します。

その時代の背景が鮮明に描写されており、異民族の交流、宗教的な問題、ヨーロッパで過去に起こったことが肌で感じました。オスマン帝国の名宰相ソコルル・メフメト・パシャは生まれ故郷の近くを流れるドリナ川に立派な石橋の建設を命じた。
少年時代、キリスト教徒の親元から引き離されてトルコ人として教育を受けた。成人の後、彼は大出世をして宰相の地位まで昇り詰めて3代のスルタンに仕えるが、争いに巻き込まれて、イスラム神秘主義の修行僧に暗殺されてしまうというあらすじです。
橋が建設されたことで対立するだけではなく、他の民族と交流、文化や技術がもたらされることにより街が発展するというメリットもあります。ヨーロッパと違い、日本は島国ですが鎖国により国力を上げ国民の生活水準や教育水準が世界一となり、科学水準までもヨーロッパと並ぶ地位に追い上げました。橋をかけることそれは、人と人が繋がる大切な役割です。
この本では、民族の交流や興亡について知らないよそ者(多民族)が永住し街が栄えていく様子がわかりました。業商人や役人、巡礼者、放浪者が行き交うことによって良い面も悪い面もありますが大陸であるがゆえの利点でしょう。