口頭試問の心得
筆記試験の場合は自分が勉強してきた成果を最大限回答に書き込めばよいのですが、口頭試問の場合は多少様子が異なります。試験管の質問に応じて回答する範囲や分量、レベルを調整して応える必要があるからです。
大学生の頃に受けた口頭試問は一学年80~90名が朝から晩まで順番に受けるというものでした。試験管は一人なので、試験管にとってはかなり大変な仕事です。疲れてきたり、集中力が薄れてきたりするため、質問の調子は時間帝によって異なります。長広舌の回答も歓迎されません。回答する学生としては試験管の様子を観察しながら、その時々(の気分)で求められている回答内容を見つけ出さなければなりません。
何人かのグループで呼ばれて回答する場合には他の受験者のことも考えなければなりません。幾つかの回答がある場合は自分ができる一番難しいものを先に答えておくと、後の続くものが楽になります。回答が長くなる場合はちょうどよいところまで進めておき、次の人が答えやすくするところで終えることも望まれます。
さまざまな状況を勘案しながら答える、このような短時間のやり取りはその後の臨床のよい訓練となりました。