神経内科医の視点
診断することがとても難しいというのが神経内科疾患だと思います。神経内科疾患の多くは治療手段が限られていて、治りにくい患者さんばかり抱える大変な仕事だと想像しています。そんな神経内科医になぜなるのかという疑問が湧きますが、純粋に神経学的所見を取るのが好きな人がなるようです。
ひぐち歯科クリニックに来られる患者さんの中にも「神経内科で診てもらったが異常がないと言われた」「神経内科に紹介してもらって治療を受けているがよくならない」という現病歴の方がいます。神経内科医はどのように考えてどのように診察しているのかは大変興味のあるところですが、この本でその様子をうかがい知ることができました。
この本で紹介されている神経内科疾患は緊急対応が必要なものとそうでないものに分けてあります。脳血管障害、重症筋無力症のクリーゼは緊急対応が必要で、認知症、てんかん、多発性硬化症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、ギランバレー症候群、脊髄疾患、睡眠障害、「心因性」疾患はそうではない方です。