モンゴルのカウボーイ

ガイドブックには危険だと警告されていた遊牧民による自家製の乳製品ですが、食後のお腹は特に変わりなく順調だったのです、そのときには。実はこの自信が南ゴビで命取りになり、単なる過信だったと思い知らされたのは後日になってからです。帰国後、その時のチーズなどにより何人かのスタッフがお腹を壊してしまったと聞きましたが、翌朝の便で南ゴビに旅立った私にはそんな話を知るすべもありません。
さて、実際に問題の乳製品を食べたのは南ゴビ3日目の午後のことでした。モルツォグの近くにもう一ヶ所、恐竜の発掘現場があります。プテヴさんの運転でそこに向かう途中、プデヴさんの姉の一家が暮らすゲルを訪問することになったのです。ゲルの外では帰省中の孫たちが、投げ縄で種馬を捕まえる練習をしています。いかにも遊牧民の子といった風情です。ゲルの中に入ると、いつものように皿に盛ったチーズやバター菓子などの乳製品が供されました。
そこで遠慮なくつまみ始めると、アイラグとそっくりな澄んだお酒をスープ椀に注いで、私に勧めてくれたのです。

先を輪にした縄を手にして種馬を追いかけている。何度も失敗した後に、ようやく種馬を捕まえることができました。

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