虫歯の増加

かつては、おやつも主食と同様にチーズやヨーグルトなどの乳製品が主流でした。このチーズが曲者で、硬く乾燥しているため咀嚼に相当な力を要し、顎が疲れてしまうほどです。しかし乾燥肉はもっと硬く、噛みこなすには強い顎の筋力が不可欠といえるでしょう。そのため遊牧民の顎は大きく発達し、親知らずまできれいに生え揃っています。また、硬い食物を食べる習慣によってバランスよく筋・骨格系が鍛えられるためか、顎関節の不調については滞在中一度も耳にしませんでした。
既にご存じでしょうが、砂糖が一切含まれない食事やおやつを摂取している限り、虫歯になる可能性はありません。つまり、モンゴルの伝統的な食生活は病気を寄せ付けないヘルシーなものなのです。ところが近年、ここに飴やチョコレートなどのお菓子が入って以来、子供たちの虫歯が急増しているそうです。
前述の通り、モンゴルでは一年間に25名しか歯科医が誕生しません。たったこれだけの人員で、日本の4倍の面積を持つ国土に歯科医療サービスを行き渡らせることは当然困難です。簡単な虫歯治療を担当するデンタルナースの女性を含めても、まだまだ治療を行うためのマンパワーが不足しているのです。需要と供給の合わないこの現状を踏まえ、国の積極的な対策が待たれるところです。

歯のケア方法について調べたモンゴル人研究者の発表

おやつとして乳製品を食べています。

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