遊牧生活とゲル

遊牧民が暮らすゲルは短時間で解体して持ち運ぶことができるポータブル型で、遊牧生活にぴったりの住居です。夏の間は高地の涼しい所で暮らし、冬季は標高が低く温かい場所に移動します。都市部ではレンガ積みの塀で囲った土地の中に、レンガ造りの家とゲルが並び建つ光景をよく見掛けました。都市住民にとっては、ゲルよりもレンガの家の方が住みやすいそうですが、レンガの家の建築には資金が必要なので、蓄えができるまではゲルを併用して住んでいるということでした。
また、地方に行くと老人ホームはないそうです。「若い人はお年寄りが大好きだから、年老いて体が不自由になったお爺ちゃんやお婆ちゃんの面倒を見るのが当たり前なのです」とガイドのラクチャさんは言います。「老人ホームに入れるなんて、かわいそうなことですね」と日本の介護状況を批評していました。モンゴルは、要介護老人や障害者にとっては暮らしやすい社会なのでしょう。
興味深いことに、末子相続というのが遊牧民の伝統です。親と一緒に住んでいるのは末っ子で、年上の兄弟達は近くに、親戚もまたなるべく近くにまとまって暮らすようです。近くといってもゲルが密集している景色は見掛けなかったので、何kmかは離れているようです。

空港から町中に入ってくると、沿道には敷地内にゲルとレンガ造りの家が共存している家が並んでいました。

テルレジ近郊の遊牧民のお宅を訪問すると、おばあちゃんと孫が仲良く暮らしていました。

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