垂直性歯根破折4
垂直性骨吸収部の組織像を観察すると歯周病の際の骨吸収とはかなり違った様子が確認できます。歯周病の場合にはポケット内はプラーク及び歯周病関連菌で満たされ、ポケット底部までポケット上皮が硬化してきます。
一方で垂直性歯根破折の場合にはポケット底部には内縁上皮やプラークはなく、炎症性肉芽組織で満たされています。詳しく見てみると、破折線の周囲1㎜以内の根面に細菌の付着が見られるが、それより外には細菌がいません。
このことから、歯根破折部を接着することにより、炎症が消失し、骨が回復することが理解できます。ただし、歯根破折後に歯周病が進行すれば、歯根破折部を接着しても不十分な改善しか見られなくなってしまいます。