実験結果は?
こんな流れの中、測定結果は五月雨式に出揃ってきました。最初に出たのは唾液のpHやプラークのpHです。3種類の測定法を試しましたが、ガムやチーズを噛む前後にはチーズの抗う蝕効果を示す変化は出ておらず、唾液の緩衝能力についても同様でした。この結果はある程度想定内だったものの、予想外の結果を密かに期待していただけにガッカリです。
残る実験はミュータンス菌の酸産生能力と唾液中のカルシウム濃度だけです。しかもカルシウム濃度はすぐに結果が出ないため、こうなると酸産生能力即ちCAT21ファストの結果に賭けるしかありません。最初に採った唾液やガムを噛んだ際に採った唾液は、既に20分間の培養を終えて結果が出ていました。これらふたつの唾液では酸産生能力が高い、つまりむし歯リスクが高いと出ました。ここでも「むし歯になりやすい」と主張していた根本ディレクターがビンゴです。
むし歯リスクを調べる対象としては最適の唾液だったようです。
ここまでのCAT21ファストの実験結果はいたって順調、後は予備実験で出た通り「チーズを噛むと酸産生能力が低くなった」という結果が出てくれるのを待つだけです。スタッフの川畑さんの唾液と根本さんの唾液が同じような性質であれば、この通りの結果が出るでしょう。2人の唾液が同じような性質なのか、このチーズの実験に関して唾液の性質に個人差がないのかは不明ですが、差がないことをただただ祈るばかりです。