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チーズでむし歯予防!?

CAT21 fastの原理

さて、本篇もいよいよ最終章です。チーズを噛むことでCAT21ファストの結果がなぜ改善したのか、改めて考えてみましょう。CAT21ファストの原理をおさらいすると、この検査は検査液の中に唾液を混ぜることから始まります。唾液の中にはむし歯菌であるミュータンス菌が混じっています。検査液はミュータンス菌の培養に適した成分で構成され、さらに乳糖も含まれています。また、ミュータンス菌は解糖系という仕組みで乳糖を分解し、ギ酸や酪酸、酢酸に変えます。これらの酸が歯を溶かしてむし歯を作るのですが、ミュータンス菌が酸を作り出す能力を測定することにより、むし歯のできやすさを調べることができるのです。

この化学反応こそがむし歯のできる仕組みといえます。この反応に登場するのはミュータンス菌、乳糖、乳糖以外の検査液の成分、解糖系で働く酵素(ミュータンス菌が持っている)、ギ酸、酪酸、酢酸ですが、今回の実験ではチーズを噛むことにより、この反応が抑制されました。これらの要素のいずれかに対し、チーズが抑制する働きをしたのでしょう。では、チーズはどのように作用して今回の結果をもたらしたのでしょう。